国際理解教育ファシリテーター養成講座をオンライン開催しました。(12月6日~1月24日)

毎年この講座では、国際理解に関する学びを促すファシリテーター(発言や活動を促す進行役)養成を掲げ、市民20~30人が受講しています。 HICEは市民グループ「はままつ国際理解教育ネット(以下、はま国)」とともに企画運営しています。

◆コロナ禍でのオンライン開催
毎年冬、窓は閉め、決して広くはないセミナールームに、受講者のみなさんと、はま国メンバーら30人ほどが集まり、4~5人で1つの机を囲み、まさに3密状態でワークショップ形式の講座を10年続けてきました。 この講座は「参加型」で、「双方向のやりとり」をしながら「ワークショップの手法」を学び、受講者同士の「グループワーク」が必須。 それをオンラインでどう運営すればいいのか、試行錯誤の中、好評のうちに4回を終了しました。 参加者やゲストも浜松市内のみならず関東、関西、そして海外からご参加いただき、オンライン(Zoom)ならではのメリットを生かした講座となりました。

◆講座の内容:毎回はま国メンバーがファシリテーターとなり進行しました。
〈第1回 「SDGs×多文化共生」〉
まず「浜松の名物といえばなに?(うなぎ? ぎょうざ? みかん?)」、「豚汁に何のイモを入れる?(じゃがいも?さつまいも?里芋?)」という質問から講座が始まりました。 この質問の目的は、参加者や価値観の多様性を実感し、自分と異なる意見も間違いではないと理解することです。
次のアクティビティは、「チョコレート問題」。“ 修学旅行で同じ部屋になった仲良しの友達にチョコレートをすべて食べられていました。 どう思いますか?―①気にしない②違和感があるけど友人関係に影響なし③いい気持ちではない、困る④不愉快、理解できない”。 受講者のみなさんの結果は、①②(友人の行動を受け入れる派)が27%、③④(受け入れられない派)が73%となりました。 実は同じ質問をした中国・北京市の中学校1年生は、①②(友人の行動を受け入れる派)が64%、一方、浜松市内の高校3年生は「①②が40%」となり、国によって多数派(マジョリティ)が逆転した結果となりました。 時として誰もがマイノリティになる、そして事情を知ることが大事ということで、HICEスタッフから浜松のマイノリティの例として在住外国人の特徴などをレク
チャーしました。

〈第2回 「SDGs×環境」〉
恵方巻の大量廃棄の写真や、浜松市のゴミ集積所に出されていた未開封の食品の写真から食品ロスについて考えました。 この1週間で何を捨てたか円グラフで割合を共有し、次の行動にどうつなげるかをグループワークで考えました。

〈第3回 「SDGs×フェアトレード」〉
「身近や世界で起こるフェアではないこと」をグループワークで考えた後、東ティモールとベナンの写真や映像を見る時間を設けました。「 なぜフェアトレードが広がらないのか、それを阻害するものは?」「フェアトレードの促進はフェアな社会を作るのか?」について、毎回グループのメンバーを変えて共有しました。

〈第4回 「SDGs×新型コロナ」〉
新型コロナウイルス感染症の拡大による自分の気持ちや行動について振り返ると同時に、「共感」「傾聴」しながら他者の気持ちや違いに触れました。 また、バングラデシュと中国在住のゲストに登場していただき現在の国内の状況を知りました。 最後には、新型コロナウイルスの影響でSDGsの達成に向けた進捗状況はどうなっているのかグループワークで考える時間を設けて、終了しました。

◆受講者の声(アンケートより抜粋)
●関東在住ですが、この講座をシリーズで受けると、先進的な浜松の取り組みやそれを手掛けている人について知ることもでき、面白いなあと思っています。
●国際理解教育以前に私達日本人同士でも異なる考え、文化があることを理解する大切さを感じました。
●対話や考えるアクティビティが多くて、年齢層も幅広くて、学術的な側面からの講義もあって、面白かったです。


◆はま国代表 中澤純一氏より
この10年間、対面型の講座について何の疑問も不自由も感じることなく行ってきました。 しかし、今年度は新しい生活様式に合わせた講座を行うに当たり、慣れないこともあってか、準備に多くの時間を費やしました。 いざ実施してみると参加者の方々が毎回、熱心に受講してくださり、多くの温かいお言葉を頂きました。 その様な時、ファシリテーター冥利につきると、心が満たされました。 また、浜松市に限らず、東京都や神奈川県、大阪府など全国からご参加を頂きました。 さらには、スペシャルゲストとして中央大学の森茂教授、厦門大学の鄒講師、ジェトロ・ダッカ事務所長の安藤氏から専門的なお話や現地の状況をリアルタイムで伝えて頂きました。 浜松から全国・世界とのつながりが実現できたことは、オンラインのメリットだったと改めて思います。

(2021/01/24)

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