「Chao!!」
教室にこども達の声が響き渡る。
私が小学生の頃の帰りのあいさつだった。
クラスには日系ブラジル人の子がいたため、ブラジル式のあいさつをしよう!という担任の先生の発案だった。
私が子どもの当時から、浜松にはブラジル人がいたが、入管法が施行されてまだ間もない頃で、国や市の体制も恐らくまだ整っていなかっただろう。もちろん学校の中も突然増えた外国人児童に、戸惑っていたし、担任の先生が努力しているのが子ども心にも感じていたが、児童は、そして私自身も「言葉も通じない外国人」の子にどう接したら良いか分からなかった。
今振り返っても、その当時の学校は外国人児童にとって、決して居心地の良い場所ではなかっただろう。
それがきっかけで、私は日本語教師という仕事をしているが、大人になって仕事をしていても、いつも思い出すのはその当時、何も出来なった自分。手を差し伸べられなかった自分。
ある時、外国人児童のための「子ども学習支援ボランティア講座」が開講されていることを知った。どんな講座なのか説明してもらっても、イマイチよく分からない。
しかし、あの時出来なかったことができるかもしれない・・その思いだけで講座を申し込んだ。
講座では、現在は外国人児童のために様々なサポートが整えられているということを知る反面、体制が整えられていても課題は多いということも知った。
講座で学校見学に行く機会があった。当時とは違う、外国人児童にとって整った環境に驚くと共に、その時の担当教師の方の言葉にも驚いた。
「子どもたちに寄り添ってあげてください。」
子どもの学習をサポートする事ばかり考えていた私にとって、その言葉は目から鱗だった。
普段、小学生の子どもと触れ合ったことのない自分には自信のないものだった。
しかし先日の講座では、子どもサポータークラブに所属する、この講座の受講生だった先輩方の話を聞く機会があり、「自分ができる事をすれば良いんですよ。」という言葉に安堵した。
このように毎回の、一つ一つの講座が自分の血や肉になっており、毎回が新しい発見の連続だ。自分の小学生の頃がきっかけだった私のように、一緒に受講している方達も、それぞれ何かのきっかけがありこの講座を申し込んでいる。その話を聞くことも自分にとっては勉強になっている。
この講座が終ったら何をしよう。どんな活動をしようか。
思いを巡らせ、今からワクワクしている自分がいる。