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インターカルチュラル・シティ:活躍する外国人市民インタビュー:Vol.15  ジャズシンガー マリア・ロウルデスさん

2016年チャンピオン・オブ・ザ・ワールド ゴールドメダリスト
歌声は心の鏡 音に気持ちをのせて歌を届けています

父はバイオリンの先生、母は教会のゴスペルシンガーと音楽にゆかりのある両親に育てられたマリアさん。12人兄弟姉妹の上から9番目で、小さいころから歌うことが大好きな女の子でした。3歳の頃から家族の前で歌い始め、5歳でフィリピンの新人コンテストでチャンピオンに輝き、歌手活動を本格的にスタートしました。8歳の時にフィリピンテレビ歌大会でチャンピオンになりプロシンガーとしてデビューし、9歳で作詞作曲を始めたマリアさん。着実にキャリアを重ね歌手活動と並行して女優業も行い多忙な日々を過ごしました。18歳の時にコンサートで初来日。ジャズの大会で数々の賞を受賞し、日本では2011年にジャズの静岡大会で優勝。2015年ニューヨークで開催された世界ジャズヴォーカル大会でファイナリストに選ばれ、2016年にロサンゼルスで開催されたチャンピオン・オブ・ザ・ワールドでゴールドメダリストに輝きました。心の中の気持ちを音にのせ表現するマリアさんの歌声は聞く人すべてを魅了させる力があります。前半は歌うきっかけや日本での生活について伺いました。

歌い始めたきっかけを教えてください

両親が音楽の仕事をしていた影響で小さい頃から歌うことが大好きでした。兄弟姉妹の前で歌うとおこづかいをもらえるのがうれしくて、歌声を披露していました。5歳の時にフィリピンの新人コンテストに出場し、ギタリストの伯父と一緒にステージにあがりました。5歳というと童謡を歌うイメージがあるかもしれませんが、童謡ではなく大人と同じ一般の歌謡曲を歌いました。新人コンテストでチャンピオンになり、歌を本格的に始め、8歳の時にフィリピンテレビ歌大会でチャンピオンになりプロシンガーとしてデビューしました。

プロになってよかったと思うことは何ですか

フィリピンの一般的な家庭で育ちましたが兄弟姉妹が12人でしたので生活は大変でした。コンテストで優勝した賞金で家の修理をし、プロシンガーになって稼いだお金で3人の姉のビジネスを支え、他の兄弟8人の大学の費用を払いました。歌手活動と並行して女優業も行っていましたので、家族を支えることができました。最終的にはフィリピンに新しい家も建てることができたのでプロ歌手になってよかったと思います。

初来日は18歳の頃だそうですね

コンサートで初めて日本に行ったのが18歳の時でした。姉からは日本は安全な国と聞いていたので安心して来日することができました。日本は電車が時間通りに来て驚いた記憶があります。日本人は真面目でよく働き、時間をしっかりと守る国柄だと感心しました。

日本に拠点を置くきっかけについて

コンサートを日本で開催していた時に主人と出会いました。結婚を機に日本に拠点をおいて活動しています。引っ越してきた当初は外国人ということもあり近所の方と仲良くなれませんでしたが、フィリピンで生活している時のように近所の方に積極的に話しかけ、自分という人間を知ってもらうことから始めました。今では近所付き合いも良好で、良い方たちに囲まれて生活しています。

キャリアを重ね、数々のコンテストで賞を受賞したマリアさん。2011年に静岡のヴォーカル大会で優勝。そして2015年ニューヨークで開催された世界ジャズヴォーカル大会でファイナリストに選ばれ、2016年にロサンゼルスで開催されたチャンピオン・オブ・ザ・ワールドでゴールドメダリストに輝き、出場人数約2500人の頂点に立ちました。コンサート活動の他に歌のレッスンの講師も務めています。2022年に中部協働センターとHICEで「英語で歌おう」講座を実施した際は23名の受講生が集まり大盛況。「歌は心で歌うもの」という信念を持ち受講生全員が気持ちよく歌うことを学び、第2弾を待ちわびている受講生が多いそうです。コロナ禍でコンサート活動は中断していましたが、2023年から精力的に活動を始めました。後半は歌に対する思いなど伺いました。

2022年に中部協働センターとHICEが主催したイベント「英語で歌おう」での講師はいかがでしたか

23名の受講生が集まってくれました。歌うための声と喉の準備体操からお伝えしました。最初はみなさん恥ずかしがって声を前に出すことが難しかったですが、回を重ねるにつれ楽しそうに歌う姿が印象的でした。英語の歌詞に感情をのせて歌うことをメインにお伝えしました。第2回目を待ちわびてくださっていると聞いてとてもうれしいです。

生徒さんの目的によって指導方法を変えているそうですね

趣味として歌を楽しく歌いたい方には自分の感情を音にのせてみんなに届けるような指導方法をします。楽しむことが一番ですので気持ちよく声を出してもらうのが目的です。一方、うまくなりたい方や本格的に勉強したい方には基礎から徹底的に指導します。ちょっとうまくなりかけると天狗になる方がいらっしゃいますが、プロ中のプロでもいまだに毎日が勉強という思いでレッスンを重ねています。いつでも謙虚な気持ちで練習を怠らず小手先のテクニックではなく心で歌が届けられるよう指導します。歌を始めるのに年齢は関係ありません。練習を重ねれば誰でも気持ちよく歌うことができるように指導しています。

歌手活動で何を伝えていきたいですか

私の歌声を聞いていただき、何かを感じとってくれたら本当にうれしいことです。歌は人の心を動かす素晴らしいものです。大きなホールでも小さな場所でも、たとえ観客が1人だったとしても私は変わらずに精いっぱいの心を音にのせていつでも同じ熱量の歌声をみなさまにお届けします。(2024年)5月11日に浜松のジャス スポット アナログでライブを行います。ぜひたくさんの方に足を運んでいただけたらうれしいです。

これからについて聞かせてください

音楽のことだけを語るラジオ番組を持てたらいいなと思います。音楽は深い世界です。音楽の素晴らしい世界を多くの方に知っていただくとともに、奥深さもお伝えできればと思っています。地元のラジオ局で実現できたらと思っています。

今後の活躍も楽しみにしています。本日はありがとうございました。

(取材時期:2023年12月)

マリア・ロウルデス

フィリピン出身 
5歳で歌手のコンテストで新人賞を受賞
8歳の時にフィリピンテレビ歌大会でチャンピオンになりプロの歌手としてデビュー
9歳から作詞作曲活動を開始
18歳で初来日
2011年静岡で開催されたジャズのヴォーカルコンテストで優勝
2015年ニューヨークで開催された世界ジャズヴォーカル大会のファイナリスト
2016年ロサンゼルスで開催されたチャンピオン・オブ・ザ・ワールドのゴールドメダリスト
現在はライブ活動と並行してレッスン講師としても活動している