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浜松市日本語教育事業の下半期(2021年10月~2022年3月)報告

活動報告2022年03月28日(月)

2021年度はコロナ禍での事業実施も2年目となり、日本語教室の開催も対面かオンラインかの選択、もしくは併用など、臨機応変な対応が少しずつできるようになってきました。 そのような状況の中で、新しく始めた取組について報告します。

〇中級クラスの試行(外国人学習支援センター(U-ToC)事業)

令和3年10月12日、文化庁文化審議会国語分科会による「日本語教育の参照枠 報告」が取りまとめられました。 日本語教育の参照枠とは、日本語の学習・教育などに関して参照する枠組みを言い、

①「日本語学習者を社会的存在として捉える」、②「言語を使って「できること」に注目する」、③「多様な日本語使用を尊重する」の3つの言語教育観の柱が示されています。 また、参照レベルとして、CEFR(ヨーロッパ言語共通参照枠)を参考に、基礎段階の言語使用者のレベルをAとし、自立した言語使用者のレベルをB、熟達した言語使用者のレベルをCとする三段階とし、それぞれを二分割して全部で6レベルとさ れています。 また、文化庁では、令和3年度末にA1からB1(一部B2を含む)までの「生活Can do」の作成を進めており、こうした動きを鑑みて、U-ToCでも中級クラス(B1レベル相当)の試行を行いました。

中級クラスは、10月1日から3月25日まで、週2日、13時30分~15時30分の間、オンラインで実施しました。 もともと今年度の第1期初級クラスの学習者から「もっと勉強したい」という声があがっていたので、第1期初級クラスの修了生の申込を想定していましたが、他にも、以前U-ToCで勉強していてN4を取得した方や、外国人就労・定着支援研修を終えられた方など、新規申込もありました。 学習者は8人(ブラジル、フィリピン、メキシコなど)で、年末に一時帰国した人もオンラインで教室に参加していました。 ブラジル人学習者は、「10年以上日本に住んでいるが、日本語を使っていなかった。 これまでは、通訳を使って病院に行っていたが、今は通訳なしで行ける。 中級クラスを受講して心が強くった(自信がついた)。」と話してくれました。 学習者が自立した生活へと踏み出せるよう、今後も日本語学習支援を通じて応援していきたいと思います。

〇大学との連携による日本語教育人材の養成「天竜日本語教室でのICT活用事業」(文化庁補助浜松市委託事業)

浜松市と常葉大学の包括連携協定を元に、令和2年度に試行的に実施した連携教室の開催の定着化が進展しました。 今年度も引き続き、天竜日本語教室にて月1回のICT活用授業を実施。 常葉大学の日本語教員養成課程で学ぶ学生9人が、日本語教師の卵として、教案や教材の作成、授業の実施を行ってくれました。 学生側へは常葉大学の坂本教授、谷教授が日本語教授に関する指導をしてくださっていたため、こちらも安心して授業をお願いすることができました。 学習者も同世代の学生らとオンライン上で触れ合えることをとても楽しみにしていた様子でした。

また、12月には天竜教室で対面とオンラインのハイフレックス型発表会を行いました。 学習者は、自己紹介・仕事・趣味の他、自分の国や町について発表しました。 発表のスピーチやスライドの作成は、学生がリモート作業で手伝ってくれました。 当日は、会場に16名のお客さんが来てくださり、学習者の発表を聞いたり、オンライン上にいる学生と話したりと、あたたかい空気に包まれました。 天竜教室で学ぶ学習者の勤め先の方も来てくださり、学習者の日本語スピーチの様子に感心していました。 対面とオンラインのハイフレックス型での発表会は運営の難しさもありますが、県内各地に在住する大学生が交通費等の負担なくオンラインで参加でき、また、会場では学習者が地元の来場者と直接交流できる良さもあることから、今後も工夫しながら継続していきたいと思います。